1980年代に起こったC.P.COMPANYやBEST COMPANYを筆頭としたイタリアのアメカジブームとも言われるパニナロムーブメント。
その中でアメリカンカレッジウェアからの影響を受けたアプローチやデニムの概念を広げる働きを見せたのが、BALLを筆頭とするAldo CiavattaによるCFM社。そんなCFM社の展開したブランドの一つでMARITHE FRANCOIS GIRBAUD夫妻をデザイナーに迎えたCLOSEDの1980年代の1着。
湿気を逃しつつも、温かさを逃がさず、抗菌性を持たせた独自開発のウール生地を使用。
コットンサテンに切り替えられた脇下やポケット周りはおそらく通気性を意識しつつもデザインとしても高く機能しています。
ブラックに、フロントと襟、袖の一部のみネイビーに切り替えられた配色。フロントにはCLOSEDのグラフィックプリント。
襟の過剰なまでのトリプルステッチ、ここだけ違う色の糸を使用しているのも秀逸。
ポケットにボールチェーンジップ。右脇下に付いた彼らお得意の隠しポケット。袖の肘付近、ウール生地が三枚に重なっているところもパッチにせずに強度を持たせるデザイン。裏地にはウール素材の説明文、袖裏地にはストライプの生地を使用。見えないところまで手の込んだクリエイション。
ワイドな身幅に適度な着丈、ドロップショルダーから太くコンパクトなドルマンスリーブ。欠損しがちなチンストもしっかり残っています。
おそらく裏地の表記から1989年のものですが、ごく最近の服と言われても違和感のない、時代を超越しつつも、アーティスティック過ぎず、着用しやすいバランスの取れたシルエットやデザイン。40年近く前の服とは到底思えません。
サイズ:44(着丈70.5cm/身幅65cm/肩幅68cm/袖丈49cm)
素材:(表地)ウール100%/ポリエステル30%/その他繊維
(切替部)コットン100%
(裏地)レーヨン100%