建築、人物、服、それらを内包したインスタレーションをコンセプチュアルに表現するアーティスト、J. Morgan Puettによるニューヨークのファッションレーベル、SHACK INCORPORATED。
アメリカ南部の田舎町にある養蜂一家に生まれたことや、アーミッシュの影響も見受けられる彼女のデザインは牧歌的で生活に息づくデザインながら、強靭なテキスタイルやあまりに現代的でない雰囲気、自然素材への徹底的なこだわりなど、アルチザンブランドとしての側面も見て取れます。
90年代末にブランドを閉じ、現在はアーティスト活動と生活と衣服の歴史にまつわる研究を行っているようです。
そんなSHACK INCORPORATEDの90年代のリネンパンツ。
リネンで連想されるクシャッとした質感の薄い生地ではなく、ハードなツイルによる重く分厚い生地感。
ピエロパンツのようでもあり、ジョッパーズパンツを極端に簡素化したようでもある立体的に広がるクロップドデザイン。
ウエストは3つのボタンで調節でき、ウエストにもゴムが入っていますが、服の自重で下がるので少しキツめくらいで履くか上からベルトを巻いて絞める方がいいですね。
大きく取られた股上に不自然なサイドへの広がり、立体裁断によって作られたと思われるパネルの繋ぎ合わせが生み出す立体的な曲線のシルエット。
ポケットはサイドのスリットポケット2箇所のみ。
徹底的にミニマルでありながらアバンギャルド。90年代らしくないアンティークにもデザイナーズピースの様にも見える普遍的な変な服。
サイズ:L(ウエスト内径最大100cm最小80cm/股上48cm /股下47cm/ワタリ40cm/裾幅33cm)
素材:リネン100%