About suwes '25

はじめまして。

suwesの川島です。


四年間ほどオンラインで運営してきたsuwes。

オンラインで購入してくださった方々、

ポップアップに足を運んでくださった

様の支えもあり、

実店舗を構えることができました

 

今までのオンラインストアや

ポップアップで知っていてくださった方、

またそうでない方にも

今のsuwesがどういった視点で

セレクトした服を並べているのか、

少しでもお伝えできたらと思い

今回のブログを書こうと思います。

 

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オープンに際し行った

ヨーロッパ買い付けのテーマ

そして今の店頭のコンセプトは

『イタリアンスポーツウェアとその周辺』


スポーツウェア?運動着???

 

これは単に運動着という意味ではなく、

シティ/オフィススタイルと対義的な

カジュアルウェア全般を指す言葉として、

アメリカの古着のタグによく見る

SPORTsWEARという部分を抜き出して

80年代頃のイタリアで始まった

(あやふやな)定義です。

 

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80年代イタリアでパニナロという

ファッションムーブメントがありました。

 

70年代に続いた社会不安、

上流階級のアメリカ留学ブームや

グローバル化の推進による

アメリカンカジュアルの流入、

自由への憧れや楽観的な消費主義。

 

 

中流〜上流階級の若者を中心に

イタリア式アメリカンカジュアル

とも呼ばれるスタイルが生まれました。

デニムにブーツ、シャツやスウェット、

そして鮮やかな色味のダウンジャケット。

 


ワークウェアらしくも、

リーバイスにティンバーランド、

ダウンはモンクレールと

ブランド主義的であったのが特徴です。

 


これらは小さなパニーニ店から

少しづつイタリア全土、

さらにはヨーロッパにも広く伝わりました。

 

 

根付いていくにつれ、様々なブランドが

このムーブメントと共に生まれ、

バイク、スクーター文化とも結びつき、

テイストや値段帯、年齢層、

ブランドも多岐に渡っていきます。

 

 

このムーブメントのキーパーソンとして

度々名前が上がるのは

C.P.COMPANY/STONE ISLAND等の

Massimo Osti

(彼の設立した会社名も

SPORTSWEAR COMPANYですね)

 

そして、

Best Company/American System

等を手がけた

Olmes Carretti。

 

また、DIESELやRIFLE、THINK PINK等

様々なブランドの台頭、

Armaniのカジュアルラインの設立、

BALLやCLOSED

(MARITHE+FRANCOIS GIRBAUD)

を手がけたCFM社を筆頭とする

デザインデニムの登場も

この流行の一つの側面と言えるでしょう。

 

 

中盤頃からは過剰なワーク、ミリタリー、

マリンを取り込んだギア感も付随してきます。

 

 

これらパニナロスタイルの中でも、

特に僕らが強く惹かれたのが、

C.P.COMPANYやSTONE ISLANDと同等

またはそれ以上に

パニナロのユニフォームであった

Best Company

そしてそのデザイナー、

Olmes Carrettiによるアイテムたち。

 

 

特徴的なのは切り替えや柄も含めた

斬新な色使い、

アメリカンヴィンテージのカレッジや

スポーツアイテムを誇張/記号化したような

グラフィックプリントや細かい刺繍。

 

イタリアの服カッコいいなと思いつつも、

元々アメリカンヴィンテージも

好きだった僕らには

とても魅力的で心地良くも新鮮に

感じられました。

 

 

結局10年足らずで終わった

パニナロムーブメントですが、

特徴的な色味やグラフィックプリントなどは

ボードウェアやレイヴウェアなど

様々に形を変えて90年代に残っていきます。

 

 

C.P.COMPANYやSTONE ISLANDは

イタリアに遠征に来た

サッカーサポーターによって

(時には盗まれ)イギリスに。

 

ゴーグルジャケットは

過激なサッカーファンの顔を隠すのに最適。

 

 

野外レイヴのファッションは

色味豊かに各々。

スケーターライクなスタイルが多め。

 

 

ロンドンのクラブではVERSACEや

MOSCHINO、D&Gに身を包んだ

イタリアンモード。

 

ドラッグが蔓延し始める中

監視社会への危機感。

アンダーグラウンドから広がるハイテクで

アノニマスな身を守る為のミニマルテック。

 

そしてNeil Barretによる

PRADA SPORTの登場。

 

 

80年代イタリアのユースカルチャーは

スウェットの価値を高め、

街にダウンジャケットを持ち込み、

ミリタリーサンプリングを広め、

服のギミックを増やし…

様々な形で現代のカジュアルウェア

の基盤となりました。

 

そこに影響を与えたUSヴィンテージ、

後続を担ったレイヴやボードウェア、

カジュアルに接近したラグジュアリー。

 

拡張されたカジュアルウェア

これらを都合よく

『イタリアンスポーツウェアとその周辺』

と解釈し、

あくまでもカジュアルでデイリーに、

でも新鮮でスパイスの効いた服として

面白がってもらえたらと思い、

店頭に並べています。

もちろんクセの強いものだけじゃなく

サラッと着れるベーシックなものも混ぜつつ。

 

 

と、もちろん当時を生きているわけでもなく、

憶測やこじつけもありつつですが、

こんな感じの80年代イタリアを発端とした

カジュアルウェアの流れが僕らの今の気分。

  

口下手な僕らが店頭で頭でっかちにつらつら

説明してもなんか押し付けがましいし

これだけ書いておいて何ですが、

こんなの関係なく感覚で着るのが

ファッションの醍醐味だとも思います。


それでも、

ここまで読んでくれた物好きな方には

少しでも僕らの提案を

面白がってもらえたら嬉しいです。


ブログというには長すぎる内容でしたが、

最後までお読みいただきありがとうございます。

店頭でお待ちしております。